
冬になり、大切に育てているパキラの葉がポロポロと落ち始めると、「もしかして枯れてしまうのでは…」と不安になりますよね。
パキラは比較的育てやすい観葉植物として人気ですが、実は冬の寒さや環境の変化には少しデリケートな一面も持っています。しかし、葉が落ちるのには必ず原因があり、それを知って正しく対処すれば、パキラは元気に冬を越し、春にはまた新しい芽を吹いてくれます。
この記事では、パキラの葉が冬に落ちる主な原因から、危険なサインの見分け方、具体的な対処法、そして来年から役立つ正しい冬越しの管理方法まで、詳しく解説していきます。
パキラの葉が冬に落ちるのはなぜ?主な原因5選
パキラはもともと中南米の熱帯地域が原産の植物です。そのため、日本の寒い冬は本来苦手な環境。葉が落ちるのは、パキラが送る「今の環境が合わない」というサインである可能性が高いです。
考えられる主な原因を5つ見ていきましょう。
1. 低温によるストレス (寒さ)
最も多い原因が「寒さ」です。パキラが元気に育つ適温は20℃〜30℃程度で、寒さには強くありません。
- 耐寒ライン: 一般的に5℃が限界と言われていますが、個体差やそれまでの環境によっては10℃を下回るとストレスを感じ始めます。
- 危険な場所: 特に注意したいのが「窓際」です。日中は日当たりが良くても、夜間は外の冷気が直接伝わり、急激に温度が下がります。この寒暖差がパキラの体力を奪い、葉を落とす原因になります。
2. 水やりの失敗 (根腐れ・水切れ)

冬のパキラは、気温の低下とともに成長がゆっくりになる「休眠期」に近い状態に入ります。そのため、暖かい季節と同じペースで水やりをしていると、水分を吸いきれずに問題が起こります。
- 水のやりすぎ (根腐れ):
- 冬は土の乾きが遅くなります。そこで夏と同じように水を与えると、土が常に湿った状態になり、根が呼吸できず腐ってしまいます(=根腐れ)。
- 根腐れを起こすと、根から水分や養分を吸収できなくなり、葉が黄色くなったり、元気なく垂れ下がって落ちていきます。これは最も危険な状態の一つです。
- 水のやらなすぎ (水切れ):
- 「冬は水を控える」ことを意識しすぎて、完全にカラカラに乾燥させてしまうと、水分不足で葉が乾燥し、パリパリになって落ちることがあります。
3. 日照不足
冬は日照時間が短くなり、太陽の光も弱くなります。パキラは耐陰性(日陰に耐える力)もありますが、本来は日光が好きな植物です。
光合成が十分にできないと、植物は体力を温存しようとして、自ら古い葉や下葉を落とす「生理的落葉」を起こすことがあります。
4. 空気の乾燥 (暖房)
冬の室内は、暖房(エアコンやストーブ)によって想像以上に乾燥しています。熱帯の湿度の高い環境で育ってきたパキラにとって、この乾燥は大きなストレスです。
葉から水分がどんどん蒸発していき(蒸散)、根からの給水が追いつかなくなると、葉先が茶色く枯れたり、葉全体が乾燥して落ちてしまいます。特に、暖房の風が直接当たる場所は絶対に避けましょう。
5. 急激な環境変化
植物は環境の変化に敏感です。 「日中は暖かいリビングに置き、夜間は寒い玄関に移動させる」 「購入してきたばかりで、お店の環境と自宅の環境が大きく違う」 といった急激な温度や湿度の変化に驚き、適応するために一時的に葉を落とすことがあります。
「生理現象」と「危険なサイン」の見分け方
葉が落ちるとすべてが危険というわけではありません。問題のない「生理現象」の場合と、すぐに対処が必要な「危険なサイン」があります。
生理的な落葉 (自然な新陳代謝)
- 症状: 下の方にある古い葉が、1〜2枚ずつ黄色くなって自然に落ちる。
- 見分け方:
- 新しい芽(新芽)も同時に出ている。
- 幹や他の葉は元気でピンとしている。
- 判断: これは新しい葉に栄養を集中させるための自然な新陳代謝です。心配いりません。
危険なサイン (病気・枯れる前兆)

- 症状:
- 新芽や、上の方にある比較的新しい葉まで落ちる。
- 葉が黄色くなるだけでなく、茶色や黒っぽく変色して落ちる。
- 葉が元気なく垂れ下がったまま落ちる。
- 一度に大量の葉がパラパラと落ちる。
- 最重要チェックポイント:
- 幹を触ってみる: 根元や幹の一部が柔らかくブヨブヨしている。
- 土の匂い: 土からカビ臭い、腐ったような匂いがする。
冬に葉が落ちてしまったパキラの対処法
葉が落ちてしまっても、すぐに対処すれば復活する可能性は十分にあります。
1. まずは原因を特定し、置き場所を見直す
上記の「原因5選」をチェックし、どれに当てはまるか考えましょう。
- 寒さが原因の場合:
- 夜間は窓際から離し、部屋の中央など、温度変化の少ない場所に移動させます。
- ダンボールや発泡スチロールで鉢を囲い、冷気から守るのも有効です。
- 乾燥が原因の場合:
- 暖房の風が当たらない場所に移動させます。
- 霧吹きで葉に水をかける「葉水(はみず)」をこまめに行います。
2. 水やりの頻度を徹底的に見直す
- 根腐れが疑われる場合 (土が常に湿っている):
- まずは水やりを完全にストップし、土がしっかり乾くまで待ちます。
- 受け皿に水が溜まっていたら、すぐに捨ててください。
- 本来は植え替えが望ましいですが、冬の植え替えはパキラの体力をさらに奪うリスクがあります。まずは徹底的に乾燥させることを優先します。
- 水切れが疑われる場合 (土がカラカラ):
- 暖かい日の午前中を選び、常温の水(冷たすぎない水)を鉢底から流れるまでたっぷりと与えます。
- 与えた後は、受け皿の水を必ず捨てます。
3. 葉が全部落ちても諦めないで!幹の確認
たとえ葉がすべて落ちてしまっても、幹がしっかり硬ければ、パキラはまだ生きています。 根腐れが進行していなければ、春になって暖かくなると、幹の途中や根元から新しい芽を吹く力が残っています。
水やりは最小限(土が完全に乾いてから数日後に少し与える程度)にし、暖かい場所で静かに春を待ちましょう。
パキラの正しい冬越しの管理方法
来年以降、葉を落とさせないための、正しい冬越しの管理方法(予防策)をまとめます。
置き場所 (温度管理)
- 温度: 最低でも5℃以上、できれば10℃以上を保てる室内が理想です。
- 場所:
- 日中はレースカーテン越しの日光が当たる場所。
- 夜間は窓際を避け、部屋の中央寄りに。
- 暖房の風が直接当たらない場所。
水やり (最重要)
- 頻度: 「乾燥気味」を徹底します。
- 目安: 土の表面が乾いてから、さらに3〜4日待ってから水を与える程度。環境によりますが、1〜2週間に1回程度になることもあります。
- 方法:
- 水やりのタイミングは、気温が上がる暖かい日の午前中に。
- 水は冷水ではなく、常温に戻した水を与えます。
- 与える時はたっぷり、鉢底から流れ出るまで。
- 受け皿に溜まった水は、根腐れの原因になるため必ずすぐに捨てます。
日光
冬でも光合成は必要です。日照不足にならないよう、できるだけ日中は明るい場所に置いてあげましょう。ただし、冬の直射日光は葉焼けの原因になることがあるため、レースカーテン越しが最適です。
湿度 (葉水)

暖房による乾燥を防ぐため、「葉水(はみず)」が非常に効果的です。
- 霧吹きなどで、葉の表裏に水をスプレーします。
- 毎日1〜2回行うと、湿度を保てるだけでなく、ホコリも取れ、ハダニなどの害虫予防にもなります。
- 加湿器をパキラの近くで作動させるのも良い方法です。
肥料
冬の休眠期に肥料を与えると、吸いきれずに根を傷める「肥料焼け」を起こす原因になります。 冬の間は、一切肥料を与えないでください。 肥料は、暖かくなり新芽が動き出す5月頃から再開します。
まとめ

パキラの葉が冬に落ちるのは、多くの場合、急な寒さ、水のやりすぎ、乾燥など、「環境が合っていない」というパキラからのSOSサインです。
- 寒さ: 10℃以下にならないよう、夜は窓際から離す。
- 水やり: 「乾燥気味」を徹底。土が乾いて数日経ってから、暖かい日の午前中に。
- 乾燥: 暖房の風を避け、葉水をこまめに行う。
葉が落ちてしまっても、幹が硬ければ諦める必要はありません。適切な場所で静かに見守れば、春にはきっと元気な新芽を見せてくれるはずです。 この記事を参考に、ぜひパキラの冬越しを成功させてください。



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