【初心者向け】レモングラスの育て方を徹底解説!準備から収穫、冬越しまで完全ガイド

「お家でハーブを育ててみたいけど、何から始めたらいいか分からない…」
「爽やかな香りのレモングラス、自分でも育てられるのかな?」

そんな風に思っていませんか? スッとしたレモンのような香りが魅力のレモングラスは、ハーブティーやエスニック料理に大活躍する人気のハーブです。実は、ポイントさえ押さえれば、初心者の方でもベランダや庭で手軽に育てることができます。

この記事では、ハーブ栽培が初めての方でも安心してレモングラス栽培を始められるように、苗の選び方から日々の管理、収穫、そして最も重要な冬越しの方法まで、分かりやすく解説します。

この記事を読めば、あなたもきっとレモングラスを元気に育て、フレッシュな香りを日々の暮らしに取り入れられるようになりますよ。さあ、一緒にレモングラス栽培を始めましょう!

そもそもレモングラスってどんなハーブ?

レモングラスは、その名の通りレモンのような爽やかな香りが特徴の、イネ科の多年草です。見た目はススキによく似ていますが、葉を少しこするだけで、力強い柑橘系の香りが広がります。

タイ料理のトムヤムクンやグリーンカレーに欠かせないハーブとして有名ですが、他にもたくさんの魅力があります。

  • リフレッシュ効果: 爽やかな香りは、気分をリフレッシュさせたい時にぴったりです。
  • ハーブティー: フレッシュでもドライでも、美味しいハーブティーとして楽しめます。胃腸の調子を整える効果も期待されています。
  • 料理の風味付け: 肉料理や魚料理の臭み消しや、香りづけに幅広く使えます。
  • 虫除け効果: 香りの主成分である「シトラール」には、蚊などの虫が嫌う効果があると言われています。

熱帯アジアが原産のため、日本の冬の寒さは少し苦手ですが、その点さえ気をつければ、春から秋にかけてぐんぐん生長し、たくさんの葉を収穫できるのが大きな魅力です。

【初心者向け】レモングラス栽培は「苗」からが断然おすすめ!

レモングラスは種から育てることもできますが、発芽に時間がかかり、ある程度大きくなるまで手間がかかります。そのため、ハーブ栽培初心者の方は、春先に園芸店やホームセンターで販売される「ポット苗」から始めるのが最も簡単で確実です。

良い苗は、葉の色が濃い緑色で、ハリとツヤがあり、根元がグラグラしていないものです。ひょろひょろと伸びすぎているものや、葉先が黄色く枯れているものが多い苗は避けましょう。

これだけ揃えればOK!レモングラス栽培に必要なもの

レモングラスを育てるために、特別な道具は必要ありません。まずは以下のものを準備しましょう。

  • レモングラスの苗: 元気な苗を選びましょう。
  • プランター(鉢): レモングラスは生育旺盛で根がよく張るため、直径・深さともに30cm以上(8〜10号鉢)の大きめのものを選ぶのがポイントです。深さがあると、根がしっかり伸びて乾燥にも強くなります。
  • 用土: 市販の「ハーブ用の土」や「野菜用の培養土」を使えば、肥料などがバランス良く配合されているので手軽です。
  • 鉢底石: プランターの底に敷き、水はけを良くするために使います。
  • 肥料: 生育期に与える追肥として、緩効性の化成肥料か液体肥料があると良いでしょう。

【実践】レモングラスの育て方|7つのステップで簡単栽培

準備が整ったら、いよいよ植え付けです。ここでは、レモングラスを元気に育てるための7つのステップを詳しく解説します。

ステップ1:植え付け(最適な時期:5月〜6月)

  1. プランターの底に鉢底石を2〜3cm敷き詰めます。
  2. 用土をプランターの8分目あたりまで入れます。
  3. ポットから苗を優しく取り出します。この時、根鉢(根と土が固まった部分)がガチガチに固まっていたら、底の部分を少しだけ手でほぐしてあげると、新しい土に根が張りやすくなります。
  4. プランターの中央に苗を置き、隙間に土を足していきます。
  5. 株元が深植えにならないように、ポットの土の高さとプランターの土の高さを合わせるのがコツです。
  6. 最後に、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えます。

ステップ2:日当たり・置き場所

レモングラスは日光が大好きです。必ず日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。日光が不足すると、葉が細く弱々しくなり、香りも薄くなってしまいます。ベランダなら南向きの場所が最適です。

ただし、真夏の強い西日は葉焼けの原因になることがあるので、心配な場合は午後だけ少し日陰になるような場所が理想的です。

ステップ3:水やり

水やりは、栽培で最も重要なポイントの一つです。以下のルールを守りましょう。

  • 基本: 土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与える。
  • 夏場: 特に乾燥しやすい夏場は、朝夕の涼しい時間帯に1〜2回、水切れさせないように注意が必要です。
  • 冬場: 生育が緩やかになる冬場は、水やりの回数を減らします。土の表面が乾いてから2〜3日後くらいを目安に、控えめに与えましょう。

注意点: 常に土が湿っている状態は「根腐れ」の原因になります。水のやりすぎには十分注意し、「乾いたら、たっぷり」のメリハリをつけましょう。

ステップ4:肥料(追肥)

植え付け時に培養土に含まれている元肥だけでも育ちますが、より元気にたくさんの葉を収穫するために追肥をしましょう。

  • 時期: 生育が旺盛になる6月〜9月頃。
  • 頻度と種類:
    • 緩効性化成肥料: 2ヶ月に1回、株元にパラパラとまきます。
    • 液体肥料: 2週間に1回、水やり代わりに与えます。

どちらか一方で構いません。肥料の与えすぎはかえって株を弱らせることがあるので、規定量を守りましょう。

ステップ5:収穫(いつでもOK!)

レモングラスは、草丈が30cm以上に育ち、茎が十分に太くなってきたら、いつでも収穫できます。

  • 収穫方法: 株元から3〜5cmくらいの高さで、ハサミを使って刈り取ります。外側の葉から収穫していくと、中心の新しい芽の生長を促すことができます。
  • ポイント: 一度にたくさん収穫しすぎると株が弱ってしまうので、全体の1/3程度に留めておきましょう。定期的に収穫することで、風通しが良くなり、新しい芽も出やすくなります。

ステップ6:病気・害虫対策

レモングラスは非常に丈夫で、特有の香りから病害虫の心配はほとんどありません。風通しが悪く、過湿な環境が続くと、まれに「さび病」などが発生することがあります。

風通しの良い場所で管理し、枯れた葉はこまめに取り除くことで、ほとんどの病気は予防できます。

ステップ7:【最重要】レモングラスの冬越しの方法

熱帯性のレモングラスにとって、日本の冬越しは最大の難関です。しかし、きちんと対策すれば、来年も元気に芽吹いてくれます。お住まいの地域や栽培方法に合わせて対策しましょう。

鉢植えの場合

  • 霜が降りる前に室内に取り込むのが最も確実な方法です。
  • 刈り込み: 室内に入れる前に、地際から10〜15cmほどの高さで葉をバッサリと刈り込みます。
  • 置き場所: 日当たりの良い窓辺に置きます。
  • 水やり: 冬は生育が止まるので、水やりはごく控えめに。土が完全に乾いてから数日後に、少しだけ与える程度で十分です。

地植えの場合(関東以西の暖かい地域向け)

  • 刈り込み: 霜が降りる前に、地際10〜15cmで刈り込みます。
  • マルチング: 刈り込んだ株元に、腐葉土や敷きわら、もみ殻などを10cm以上の厚さでドーム状にこんもりと被せ、寒さから根を守ります(これを「マルチング」と言います)。
  • 水やり: 基本的に不要です。

この作業をしておくことで、土の中の根が凍結するのを防ぎ、春になると再び新しい芽が出てきます。

もっと楽しむ!株分けと活用法

栽培に慣れてきたら、さらにレモングラスを楽しんでみましょう。

株分けで増やす(適期:5月〜6月)

2〜3年育てて大株になったら、「株分け」で増やすことができます。鉢の中で根がいっぱいになった株をリフレッシュさせる効果もあります。

  1. 株を鉢から慎重に取り出します。
  2. 古い土を優しく落とし、ハサミや手で根をほぐしながら、2〜3株に分けます。
  3. それぞれを新しい用土で別の鉢に植え付ければ完了です。

収穫したレモングラスの活用

採れたてのフレッシュな香りは格別です。ぜひ色々な方法で楽しんでください。

  • フレッシュハーブティー: 収穫した葉を2〜3cmにカットし、ポットに入れて熱湯を注ぎ、5分ほど蒸らせば完成。
  • お料理に: 鶏肉や豚肉と一緒に煮込んだり、炒め物の香りづけに使ったり。根元の白い部分は叩いて潰すと香りがより引き立ちます。
  • 手作り虫除けスプレー: 煮出した液をスプレーボトルに入れれば、天然の虫除けスプレーになります(※効果は穏やかです。保存は冷蔵庫で数日)。
  • ポプリやサシェに: 乾燥させた葉を袋に入れれば、クローゼットや引き出しの中が爽やかな香りに包まれます。

レモングラス栽培のよくある質問(Q&A)

Q. 葉の先が茶色く枯れてきました。病気ですか?

A. 生理現象の場合がほとんどです。特に下の方の古い葉は自然に枯れていきます。また、水切れや根詰まりでも葉先が枯れることがあります。水やり頻度を見直したり、鉢が小さすぎないか確認してみましょう。枯れた部分はハサミでカットして問題ありません。

Q. 育てているのに、香りが弱い気がします…

A. 日照不足が一番の原因として考えられます。できるだけ日当たりの良い場所に移動させてあげましょう。また、肥料(特に窒素分)が多すぎると、葉ばかりが茂って香りが弱くなることがあります。肥料の量を見直してみてください。

Q. 花は咲きますか?

A. 日本の気候では、残念ながら花が咲くことはほとんどありません。レモングラスは主に葉(茎)を収穫して楽しむハーブです。

【まとめ】レモングラスを育てて、暮らしに爽やかな彩りを

今回は、初心者向けのレモングラスの育て方をご紹介しました。

  • 初心者は「苗」からスタートするのが簡単
  • 日当たりと風通しの良い場所で育てる
  • 水やりは「乾いたら、たっぷり」が基本
  • 冬越しは「室内へ取り込む」か「マルチング」で対策する

この4つのポイントを押さえれば、きっと元気にレモングラスを育てることができます。 自分で育てたレモングラスで淹れるハーブティーの味は格別です。ぜひ、このガイドを参考に、ご自宅でのハーブ栽培に挑戦してみてください。爽やかな香りが、あなたの暮らしをより豊かにしてくれるはずです。

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