
「お料理にちょっと彩りと香りを添えたいな…」
「家庭菜園を始めてみたいけど、何から育てればいいか分からない…」
そんなふうに思ったことはありませんか?もし当てはまるなら、イタリアンパセリの栽培がおすすめです!
爽やかな香りと使いやすさで人気のイタリアンパセリは、実は初心者でもプランターでとても簡単に育てられるハーブの一つです。スーパーで買うのも良いですが、自分で育てれば、いつでも好きな時に新鮮な葉を収穫して料理に活用できます。
この記事では、イタリアンパセリを初めて育てる方に向けて、
- 種や苗の選び方から、植え付けの手順
- 毎日の水やりや肥料など、お世話の基本
- 収穫を長く楽しむコツと、美味しい活用法
- よくある病気や害虫のトラブル対策
まで、必要な情報をすべて網羅して、どこよりも分かりやすく解説します。 この記事を読み終える頃には、きっとあなたもイタリアンパセリを育ててみたくなるはず。さっそく、気軽に始められるハーブ作りの第一歩を踏み出してみましょう!
イタリアンパセリってどんなハーブ?普通のパセリとの違い

まずはじめに、イタリアンパセリがどんなハーブなのか、よく見かける普通のパセリ(カーリーパセリ)との違いから見ていきましょう。違いを知ることで、より栽培や料理が楽しくなりますよ。
イタリアンパセリは、その名の通りヨーロッパ、特に地中海沿岸が原産のセリ科の植物です。爽やかで風味豊かな香りを持ちながらも、苦味やクセが少ないのが特徴。加熱しても香りが飛びにくいので、様々な料理で活躍します。
では、縮れた葉が特徴のパセリとは何が違うのでしょうか?
イタリアンパセリ | 普通のパセリ(カーリーパセリ) | |
---|---|---|
葉の形 | 平たくてギザギザ(フラットリーフ) | 葉が細かく縮れている |
香り | 爽やかでマイルド | やや強く、独特の青臭さがある |
食感 | 柔らかく、食べやすい | やや硬く、口に残りやすい |
主な用途 | 加熱料理、香りづけ、飾り付け | 飾り付け、揚げ物の付け合わせ |
このように、葉の形だけでなく、香りや食感にも違いがあります。特にイタリアンパセリは葉が柔らかく食べやすいため、「飾り」としてだけでなく「食材」としてたっぷり使えるのが大きな魅力です。
栽培を始める前に知っておきたいこと
イタリアンパセリの栽培を成功させるために、まずは基本的な栽培スケジュールと環境について知っておきましょう。
栽培カレンダー(目安)
- 種まき: 3月~5月、9月~10月
- 植え付け: 4月~6月、9月~11月
- 収穫: 5月~12月(真夏と真冬を除く生育期)
春と秋の過ごしやすい時期に種まきや植え付けを行うのが基本です。初心者の方は、すでに少し育った「苗」から始めると、失敗が少なく手軽にスタートできます。
最適な栽培環境
- 日当たり: 日当たりが良い場所~半日陰
- 風通し: 風通しの良い場所を好む
- 栽培方法: プランター(鉢植え)、地植えどちらもOK
イタリアンパセリは丈夫なハーブなので、比較的どんな環境でも育ちますが、夏の強い直射日光は苦手です。また、蒸れを防ぐために風通しの良い場所を選んであげましょう。 特に初心者のうちは、移動させて環境を調整しやすいプランター栽培が断然おすすめです。
【初心者向け】プランターで育てるイタリアンパセリの手順

ここからは、初心者の方に最適なプランター栽培の方法を、具体的なステップで解説していきます。
Step 1: 準備するものリスト
まずは必要なものを揃えましょう。ホームセンターや園芸店で手軽に揃えることができます。
- イタリアンパセリの苗(または種): 初心者は苗がおすすめ!
- プランター: 直径・深さともに15cm以上のものが目安。株が大きくなることを見越して、少し余裕のあるサイズを選びましょう。
- 培養土: 「ハーブ用の土」または「野菜用の培養土」と書かれたものでOKです。最初から肥料が混ざっているものが便利です。
- 鉢底石: プランターの底に敷き、水はけを良くするために使います。ネットに入ったものが後片付けも楽でおすすめ。
- ジョウロ: 水やりにあると便利です。
Step 2: 苗から育てる場合の植え付け方法

最も簡単で失敗の少ない、苗からの育て方です。
- 良い苗を選ぶ: 葉の色が濃く、茎がしっかりしていて、根がポットの底から少し見えているくらいの元気な苗を選びましょう。黄色い葉が多いものは避けます。
- プランターの準備: プランターの底が見えなくなるくらいまで鉢底石を敷き詰めます。
- 土を入れる: 培養土をプランターの8分目くらいまで入れます。
- 苗を植える: ポットから苗を優しく取り出し、根鉢(根と土が固まった部分)を軽くほぐします。プランターの中央に置き、苗の土の高さとプランターの土の高さが同じになるように調整しながら、隙間に土を足していきます。
- 水やり: 最後に、プランターの底から水が流れ出るまで、たっぷりと水を与えます。これで植え付けは完了です!
Step 3: 種から育てる場合
少し時間はかかりますが、種から育てるとコストを抑えられ、成長の過程をより楽しめます。
- 種まき: プランターに用意した土に、15cmほどの間隔をあけて、深さ5mm程度のまき溝を作ります。そこに種が重ならないように「すじまき」し、薄く土をかぶせます。
- 発芽までの管理: 発芽するまでは土を乾かさないように、霧吹きや目の細かいジョウロで優しく水やりをします。イタリアンパセリは発芽に1~2週間ほどかかることがあります。
- 間引き: 本葉が2~3枚出てきたら、生育の良いものを残して、弱い芽を引き抜きます。最終的に株間が15cm程度になるようにしましょう。
毎日の管理で失敗しない!お世話の基本
植え付けが終わったら、日々の管理が大切になります。といっても、ポイントさえ押さえれば難しくありません。
水やり
- タイミング: 土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えるのが基本です。
- 頻度: 季節や置き場所によりますが、春・秋は1~2日に1回、夏は毎日、冬は3~4日に1回が目安です。
- 注意点: 水のやりすぎは根腐れの原因になります。必ず土の状態を確認してから水やりをしましょう。葉に直接水をかけるより、株元に優しく注ぐのがおすすめです。
置き場所と日当たり
- 基本: 日当たりと風通しの良い場所が最適です。
- 夏越し: 夏の強い日差しは葉焼けの原因になるため、午前中だけ日が当たる半日陰や、明るい日陰に移動させましょう。遮光ネットを使うのも有効です。
- 冬越し: 寒さには比較的強いですが、霜が降りる地域では軒下や室内の明るい窓辺に取り込むと、冬でも緑の葉を保ちやすくなります。
肥料(追肥)
培養土には元々肥料が含まれていますが、長く収穫を楽しむためには途中で栄養を補給する「追肥(ついひ)」が必要です。
- タイミング: 植え付けから約1ヶ月後、または葉の色が薄くなってきたと感じたら追肥を始めます。その後は2週間に1回程度のペースが目安です。
- 種類: 手軽なのは、水で薄めて使う液体肥料です。規定の倍率にしっかり薄めて使いましょう。
- 与え方: 水やりを兼ねて、株元に与えます。
もっと楽しむ!収穫と活用法

いよいよお楽しみの収穫です。コツをつかんで、長くたくさん収穫しましょう。
収穫のタイミングと方法
- 収穫開始の目安: 草丈が15~20cmに育ち、葉の数が増えてきたら収穫OKのサインです。
- 収穫のコツ:
- 外側の葉から摘み取る: 株の中心部からは新しい葉が次々と出てきます。そのため、収穫する際は外側にある大きい葉の茎の根元から、ハサミでカットするか手で摘み取ります。
- 一度に収穫しすぎない: 株が弱らないよう、全体の1/3程度の葉は常に残しておくのが長く楽しむポイントです。
- 花芽は早めに摘む: 春になると、中心から「とう立ち」して花芽(蕾)が伸びてくることがあります。花を咲かせると株の勢いが弱まり、葉が硬くなってしまうため、見つけ次第、早めに摘み取りましょう。
イタリアンパセリの保存方法
収穫しすぎて使いきれない時は、上手に保存しましょう。
- 冷蔵保存: 湿らせたキッチンペーパーで根元を包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存します。4~5日ほど新鮮な状態を保てます。
- 冷凍保存: 刻んでから製氷皿に水と一緒に入れて凍らせる「ハーブ氷」や、ラップに平たく広げて冷凍し、使う分だけ手で砕く方法が便利です。スープやソースに凍ったまま使えます。
- 乾燥保存: 刻んでザルなどに広げ、風通しの良い場所で数日間乾燥させればドライパセリになります。
簡単!おすすめ活用レシピ

自分で育てたフレッシュなイタリアンパセリは、料理を一層引き立ててくれます。
- 刻んでかけるだけ: パスタ、ピザ、スープ、オムレツの仕上げに散らすだけで、彩りと香りが格段にアップします。
- 混ぜ込む: 刻んでポテトサラダやドレッシング、バターに混ぜ込むと、爽やかなハーブの風味が楽しめます。
- 香りづけに: 肉や魚を焼くときに一緒にソテーしたり、アサリのワイン蒸しに加えたりと、加熱しても香りが活きます。
【困ったとき】よくあるトラブルと対処法
大切に育てていても、時には病気や害虫のトラブルが起こることも。早めに対処できるよう、代表的な症状と対策を知っておきましょう。
トラブル | 症状 | 主な原因・対策 |
---|---|---|
うどんこ病 | 葉の表面に白い粉をまぶしたようになる | 風通しが悪い(蒸れ)。 症状が出た葉は取り除き、風通しの良い場所に移動させる。 |
アブラムシ | 新芽や茎に緑色や黒色の小さな虫が群がる | 風で飛来、窒素過多が原因。 水やテープで除去する。 |
キアゲハの幼虫 | 緑と黒のしま模様のイモムシが葉を食べる | 見つけ次第、割り箸などで取り除く。 食欲旺盛なので、早めの発見が肝心。 |
葉が黄色くなる | 下の方の葉から黄色く変色する | 水のやりすぎ(根腐れ)、日照不足、肥料切れなどが考えられる。 土の乾き具合を確認し、置き場所や肥料を見直す。 |
ひょろひょろに育つ | 茎ばかりが間延びして、葉が小さい | 明らかに日光不足。 より日当たりの良い場所に移動させる。 |
害虫は、見つけ次第すぐに取り除くのが基本です。数が多くて手に負えない場合は、食品成分由来のハーブにも使える殺虫スプレーなどを活用するのも一つの手です。
【まとめ】さあ、あなたもイタリアンパセリを育ててみよう!
今回は、初心者向けのイタリアンパセリの育て方について、準備から収穫、活用法、トラブル対策まで詳しく解説しました。
- イタリアンパセリは初心者でもプランターで手軽に育てられる
- 始めるなら失敗の少ない「苗」からの栽培がおすすめ
- お世話の基本は「土が乾いたら水やり」と「夏の直射日光を避ける」こと
- 収穫は「外側の葉から」が長く楽しむコツ
ほんの少しの手間をかけるだけで、毎日の食卓が豊かになるイタリアンパセリ。スーパーのハーブコーナーを眺めるだけだったあなたも、この記事を参考に、ぜひ気軽に家庭菜園の第一歩を踏み出してみてくださいね。
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